2009-06-09
殻の中の小鳥は、魅惑の調書を作っているときに
考えついた。
そこで、Discovery傘下のBLACKPACKAGEの生き残りを掛けて、
魅惑の調書の進捗を
Discoveryの本物の代表に説明しに行ったとき、
様式美や耽美的な雰囲気が好きな自分は、
「次回作は、洋館の入り口に、メイドさんがずらっと並び、
それを調教するADVゲームになります」と説明した。
その後の魅惑の調書の売上げの好調を見て、真の代表は
メイド物の作成にOKをだした。
シナリオは、当時仲の良かった栄夢氏。
原画は当初は別の大物を用意してたのだがおじゃん。
そこで、当時漫画で良い線を見せてくれていた新井氏に
お願いすることになった。
新井氏が、変名でバーディーに定期的に絵を送ってくる事を
自分は知っていた。連載の乗っている漫画雑誌も持っていた。
そしてCGは後年BLACKPACKAGEの社長となるDONOVAN氏。
音楽はHuMI氏だった。
DONOVAN氏は、DiscoveryのCGが空いているとき(いつもだが)、
CGを塗るという強行軍をしていた。(もちろん許可をもらって)
あの、タイトルロゴもDONOVAN氏が作った物だった。
お金も前回の金額と同等で契約した。
当時としては、無名の新人に払う金額としては破格だった。
最初はADVとして進められた企画も、
栄夢氏から、単なる陵辱ADVではつまらないと言うことで、
栄夢氏のMTGの知識を生かし
カード調教をいれる事を提案されokした。
(自分もボードWarGameをやってたので理解は出来た)
キャラやカードやイベントシーン発生バランスを取るために
mapシステムを取り入れることを自分が提案した。
map部分は、
栄夢氏はゲームが希薄化するので難色を示していたが、
世界観が広がるので、ごり押しして決まった。
時間軸に各キャラクターのイべントADV部分を作ることで、
形はまとまった。
栄夢氏とはよく次回作、次々回作の構想を練って、二人で
よく話していた。とても仲が良かった時代だ。
ユーザーインターフェース等の話しもした。
新井氏と栄夢氏は、メイドというカテゴリーを作るべく、
これも二人で頑張っていた。
他にも栄夢氏はDiscoveryの肩書きだけの社長とも仲が良かった。
しかし、自分は色々なことで適当な返事をする
肩書きだけの社長とは仲が良くなかった。
まあ、年は向こうが上、上役、
キャリアはこちらが断然上で難しい立場だったとは思うが。
何事も他人事のような返事しかしない彼を
どうも好きにはなれなかった。
余談だが、どうにか彼を担ぎ出すことも考えたのだが、
上手くいかなかった。人の悪口を言うのは好きではないのだが
彼はエロゲ会社の社長にするにはあまりにも無能すぎた。
まあ、可愛そうな人事だった。
昼飯に行ったはずの彼が、
夕方になって首にギブスを付けて戻ってきたことがあったが、
エヴァのLDを買いに行ったときに
車にはねられたと本人が言った。
スタッフみんなが失笑していた。
本人も事務所に居づらい雰囲気を出していて、
外出が多くなった。
そんなこんなで、彼は社内で権威を亡くしていったが、
真の代表は、彼の言葉しか信じてくれなかった。
殻の中の小鳥の開発は困難だった。
キャラの考証や繊細な線を書かなくてはならない新井氏と
スケジュールを立てられているDONOVAN氏との対立は最後まで
解消されることは無かった。間の立ったのは栄夢氏った。
そしてデバックである。
全くバランスの取れていなかったゲームを、
DONOVAN氏、大越氏を筆頭に、みんなで直していった。
バランスが良くなるにつれて、
「これは売れる」と皆が思うようになった
発売されてみると「殻の中の小鳥」は予想通り大ヒットで、
後のメイドさんブームの火付け役となった。
Discoveryの身売りもスムーズ決まったことだろう。
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